【初心者向け】通貨ペアの特性と選び方について解説
FXで為替取引を開始する際は、適切な通貨ペアを選ぶことが重要です。取引の参考となる情報やリスクが異なるため、特性や選び方を理解しておくことをおすすめします。この記事では、初心者の方に向けて、その特性と選び方について解説します。どれが自分にあっているのかを知っておくことで、安心して取引できるでしょう。
そもそも「通貨ペア」ってなに?
通貨ペアとは、FXで為替取引する際に必須となる知識です。具体的には、ふたつの通貨を組み合わせた取引単位を指し、米ドル/円のように、世界で流通量の多いメジャー通貨を左側に表記し、決済する通貨を右側に表記するという決まりがあります。
米ドル/円の数値を見た場合、現在、1米ドルを何円で交換できるのかが判断できます。これはFXにおける為替取引において、基礎となる重要な知識です。さらに、理解しておかなければならない考え方として、クロス円とドルストレートが挙げられます。
クロス円
米ドル以外の通貨と日本円の組み合わせで取引することです。為替は、基本的に米ドルを介して他の通貨との交換が行われます。たとえば豪ドル/円を取引するケースでは、まず日本円を米ドルに交換し、その米ドルによって豪ドルを購入する手続きが取られるのです。
ドルストレート
一方、米ドルと他の通貨の組み合わせた取引のことです。たとえば、米ドルと日本円、米ドルとユーロなどが該当します。一度他の通貨を経由しない取引方法です。
各通貨の特徴を解説
ここでは、一部の組み合わせについての特徴を紹介します。それぞれの特徴をしっかりとつかんでおきましょう。
米ドル/円
米国ドルと日本円を組み合わせたドルストレートです。世界中で盛んに取引されていることで流動性が高く、ゆっくりと値が変動する特徴があるため、比較的リスクが少ないといえるでしょう。取引の判断材料となる経済情報の量も非常に豊富で、はっきりした根拠をもって判断しやすく、初心者向けです。
ユーロ/米ドル
ユーロと米国ドルの組み合わせです。このペアは、取引量ナンバーワンである米ドルと、次いで多く流通するユーロの組み合わせであるため、世界中でもっとも取引されており、流動性が高いのが特徴です。
売買する際の価格差であるスプレッドが狭い傾向にあり、低いコストで取引できるため、短期売買をしやすい通貨ペアともいえます。相場を判断するには、欧州と米国の経済指標に注目することが求められます。
ユーロ/円
ユーロと円を組み合わせたクロス円です。予想できない値動きが少なく、初心者であっても取引しやすいでしょう。しかし、日本円で取引する場合には、一度米ドルを経由する必要があるクロス円のため、ユーロの経済指標だけでなく、米国にも影響を受けることに注意が必要です。
ポンド/円
英ポンドと円を組み合わせたクロス円です。値が大きく動く傾向があり、大きな値幅が狙える一方で、売り買いのタイミングが難しく。初心者向けではないといえます。スプレッドも広めであり、経験値を求められる組み合わせです。
南アフリカランド/円
南アフリカランドと円を組み合わせたクロス円です。新興国である南アフリカの通貨ランドは、金利が高いものの、流動性が低く大きな為替変動が見られます。また、経済が不安定なことから、急落リスクも考慮した取引が求められます。
自身に合った通貨ペアの選び方
では、初心者はどれを選ぶべきでしょうか。ここでは、大きなリスクをともなわない、初心者に合った選び方について解説します。
取引量が多い
市場で盛んに売買されている通貨は、急激な相場変動が少ない傾向があります。また、多くの人が取引するため、分析に必要な情報が豊富に揃っています。
初心者は、予想外の値動きに対処できない傾向があるため、取引量が少ない通貨を避けることが、確実性が高い選択です。世界的に取引量が多くない通貨に関しては、取引を重ね、経験値を得てから挑戦するのがいいでしょう。
スプレッドが狭い
売買するための差額が狭い通貨ペアは、売買するために支払う費用を抑えられます。取引量が豊富な通貨は、大規模な売り・買いがあったとしても全体に影響を与えにくいため、スプレッドの幅が狭い傾向があります。
一方、マイナー通貨は取引量が少ないため、スプレッドが広くなる傾向があります。取引コストを最小限に抑えたい場合は、多く流通している通貨での取引を検討しましょう。
適度なボラティリティ
ボラティリティとは、どのくらい値動きするのかを表現する言葉です。値がほとんど動かない、低すぎるボラティリティでは利益の機会が限られますが、逆に乱高下がある、高すぎるボラティリティでは損失リスクが高まります。初心者は、適度なボラティリティの通貨ペアで取引を始めるのがおすすめです。
まとめ
初心者がFXで為替取引するためには、適切な通貨ペアの選択が不可欠です。中でも、取引量が多く、狭いスプレッドで、ほどほどのボラティリティをもつ通貨ペアを選ぶことが重要です。メジャー通貨を中心に、流動性が高く取引しやすい通貨ペアを選択しましょう。投資経験の少ない初心者だからこそ、知識を蓄え、しっかりと選択することが重要です。FX取引のリスクを抑えられるでしょう。